(敬天新聞 令和6年9月号3面)
長崎日大空手部 松尾清忠監督
最近の日大 |
最近の日大は、流石に問題を外に出さなくなった。出来るだけ学内で諸問題を片付けようと言う雰囲気が醸成されて来たのだろう。それが本来の姿である。組織が大きくなれば問題も肥大化する。少子化が進み年々入学者が減ってる現状で、大学の拡大化は得策ではないだろう。
強豪と呼ばれた運動部での練習も、試合に強ければ何でも有りで、美談とされてきた血と汗のにじむ強制練習や根性論も、批判される時代でもある。昔の伝統を強調すれば、学校そのものの運営が成り立たない時代なのである。
ところで弊紙で何度か報じた学校法人長崎日本大学学園が運営する長崎日本大学高等学校(通称長崎日大・長崎県諫早市)でのトラブルは、未だ解決に至っていないらしい。
この問題は、長崎日大で空手部の外部コーチを約18年務めてきた宮川誠悟氏の息子である源太氏が、同じくコーチとして約12年務めているのだが、空手部監督の松尾清忠氏から「教師にしてやる」と言われ、その言葉を信じて一所懸命コーチを続けてきたのに、約束を反故にされたという話が発端であった。
宮川氏の話では、松尾監督から「教師にしてやる」と言われ、その言葉を信じて一所懸命コーチを続けて、社会科の教員資格も取得したそうだ。
ところが松尾監督から「社会科の教員資格では同校の教職に就くのは難しい、体育の教員資格が有利だ」と言われ、新たに国立長崎大学の教育学部の門を叩き、体育の教員資格まで取得して、教師就任を待っていたのである。
宮川氏の長女が既に長崎日大で教職に就いていて、結婚式の際には、現理事長の力野孝典先生と現校長の池内一郎先生が参列していて、この時に「源太君のことは暫く待ってください」と言われたそうだ。
また松尾監督からも、長女が退職したら採用しやすいから暫く待ってと告げられたそうである。決して宮川氏の勝手な思い込みや、つくり話では無いだろう。
だが一向に源太氏を教員として採用しない長崎日大に対して、宮川氏が力野孝典理事長と池内一郎校長に、話し合いを求めて「納得のいく説明をお願いしたい」という申入れを書面で行ったのである。
ところが長崎日大から「担当肥田剛一」を通知人とする回答書が届き、「弁護士の助言および指示をいただいた」とか「当事者の源太氏と学園の話で宮川氏(父)への回答は控える」といった的外れなことを告げてきたので、問題は解決に至るどころか、火に油を注ぎ、暗礁に乗り上げてしまったのである。
それが今では、強豪校で全国に名を馳せる空手部監督の私腹を肥やす不正行為の告発に発展している。一刻も早く解決するために、文科省といった所轄庁や日大本部が直接問題解決に介入し、英断を下すべきである。
問題を提起している宮川元コーチ側は、本人が書いたこともない「領収書」が存在する事実を発表している。これは監督がコーチたちに払ったと見せかけた書類の一部ではないか? との疑念が深まっている。
どのくらいの金額を、どのくらいの年月続けていたのかは、今のところ分からない。学校側が真剣に調べれば、答えは直ぐに出るだろう。
長崎日大 力野孝典理事長
系列の問題 |
日大本部も系列高校として冠を付けさせているのだから、積極的にこの話に介入して、解決に向けて考慮すべきである。
第一次岸田内閣文科大臣として日大に英断を下した、末松信介参議院議員のように、学校運営に関して厳しい見解を持って臨めば、経営者側は真摯な対応で臨まなくてはならなくなり、真実も直ぐに明らかになる筈である。
春頃には、学校側の対応が大分変って来たというような話だったようだが、その後は進展がないそうである。大学側が本気で介入し、真実解明に動けば、事の真相は直ぐに見えてくる筈である。
大学本部が介入しても、問題解決に至らなかった場合は、高校側の責任者を解任し、付属高校関係を清算した方が、大学側にもプラスになるのではないか。
これから益々少子化が進み、学生数は減る一方だろうし、イメージの悪い学校へ行く生徒は減る筈である。ま〜、地元ではこの問題も相当知れ渡った話にはなっているそうである。
せっかく日大は林真理子理事長に交代して、イメージも変わってきてるのだから、担当理事を派遣し、争いの内容を把握し、諸悪の根源を断つべきであろう。
7月25日には、林真理子理事長と20年の親交があり、林理事長の誘いで常務理事に成っていた精神科医の和田秀樹氏が、都内の書店で著書「さらば日大!」の出版記念イベントを行った。
そこで和田氏は林理事長に呼び出され今年1月に辞任に至った真相を語り、「本質的な体質改善が必要。外部の声を聞くべきだ」と林理事長に注文を付けたことがニュースで話題に成っていたけど、林理事長は大学経営の素人でありながら、ここまで匙を投げずに来たのだから、どんな批判も日大愛と受け止めて、一歩一歩着実に改革を進めて行く他あるまい。
長崎日大高に関しては、どのような結末を迎えるのか分からないが、筆者の故郷の話でもあるので、最後の最後まで正面から正直に報告することとする。
頑張れ日大!林真理子理事長