過払い金請求訴訟を愚弄する あすか信組と街金ヒロシ興産

(敬天新聞 令和6年7月号3面)



過払い金請求

 この裁判資料は、東京地裁で行われた不当利得返還請求事件で言い渡された判決である。原告は元外交官で大手証券会社の支店長を経て、現在は都内で人材派遣会社を経営している飯嶋国夫氏である。

被告は、台東区上野に法人登記しているヒロシ興産(代表取締役 大松英世)という街金融である。

判決では、原告の主張が全て認められ、被告に支払いが命じられている。

だが街金はおろか関係する信用組合まで理不尽な対応を見せたことから、この不条理を世に問い、糺して欲しいと言って、弊紙に持ち込まれたものである。

ことの発端は十数年前、飯嶋氏が新たな事業の資金繰りのため、ヒロシ興産から金を借りたことである。当時の借金は返済したのだが、後に「過払い金」があることが分かり、ヒロシ興産に対して過払い金の返還を求めたのである。

過払金とは、法定金利を超える高利によって、借主が借入金の返済時に払いすぎた金銭である。バブル崩壊以降、銀行が貸し渋り、資金繰りに困った零細企業などが巷に溢れ、闇金融が跋扈した。その後高利貸しやグレーゾーン金利が社会問題と成り法改正された。

因みにヒロシ興産は闇金ではない。金融庁に登録されている正規の貸金業者である。ところがヒロシ興産は支払いを命じられた判決に従わず長年放置しているそうだ。

更に飯嶋氏が憤慨に堪えないと問題視しているのは、ヒロシ興産が持つ口座が「あすか信用組合上野支店」(本店・新宿区歌舞伎町2代表理事 金哲也)にあることから、差し押さえようとしたところ、あすか信用組合上野支店(以下あすか信組)は、東京地裁民事第21部より発せられた債権差押命令(平成27年6月11日付)に対し、陳述書で(平成27年6月15日付)、債権差押えに係る債権の存否確認において「その存在がない」と回答したそうである。

ところが時を経て令和5年6月15日付東京地裁民事第21部より発せられた債権差押命令に対し、あすか信組は令和5年7月5日付情報提供書で、ヒロシ興産の預貯金債権の存在を認める回答書を提出したそうだ。

この提出された回答書に基づき、令和5年7月27日東京地裁は債権差押命令を、あすか信組とヒロシ興産に対して送付している。





陳述が二転三転

 この命令書に対して、「令和5年7月28日付あすか信組の陳述書」では、差押えに係る債権の存在を認めていながら、飯嶋氏が債権差押の種類及び額を開示したのに、弁済の意思はないと陳述したそうである。

このことについて飯嶋氏の代理人弁護士が令和5年8月18日あすか信組に電話で理由を確認したところ、反対債権の存在を挙げ、それを相殺したのでヒロシ興産の預金残高は既にゼロであると説明したそうだ。

要するに、あすか信組もヒロシ興産と貸し借りがあって、それを相殺したので口座の預金残高はゼロに成ったということらしい。

だが納得のいかない飯嶋氏が、再度裁判所に対して情報提供命令の発出を要請したところ、それに対する回答書(令和5年12月25日付)が、あすか信組事務部から裁判所に提出された。 その回答書に記されているヒロシ興産の口座残高は先述した「令和5年7月28日付あすか信組の陳述書」にある額と同じだったのである。要するにゼロではなかったということだ。

そもそも、あすか信組は平成27年6月15日付陳述書で「その存在がない」と回答したが、飯嶋氏は過去に振り込んだ実績をもとに口座の存在を確認している。それにも拘わらず、その存在を隠蔽し裁判所に虚偽の回答をしているのだ。

令和5年7月28日付陳述書では一転して債権の存在を認め、更にその陳述書において、反対債権を相殺すると裁判所に伝え、飯嶋氏の代理人弁護士からの問い合わせにも、既に相殺済みで預金残高はゼロになったと回答している。

ところが依然として口座は存在し、令和5年12月22日現在あすか信組上野支店口座に約4千524万円、手形貸付5千万円、出資金約100万円の残高があると裁判所に開示している。

この事実を踏まえ、飯嶋氏が全国信用組合連合会を通じて「反対債権の存在を理由に弁済の意思が無く、既に口座の預金残高はゼロになっている」とした回答の真偽を確認したところ、あすか信組は同連合会に「債権相殺はいまだ実行されていない」と回答したという報告を、令和6年2月19日に受けたそうだ。



判決 主文(クリック)




戦う覚悟

 飯嶋氏は、ヒロシ興産は勿論のこと、あすか信組の妨害行為によって被った損害は計り知れないと、怒り心頭である。そこで現在、金融庁や捜査当局に相談し、然るべき対応を促しているそうだ。

また、これまでに裁判等で多くの時間と労力を費やし、弁護士費用もかさんでいるが、それより何より、認可を受けて営業している正規の金融機関が、片や不当な利益を得て、片や裁判所にまで虚偽の陳述をして、このまま許されていいのか? と社会の不条理に憤りを感じているそうである。

だから、実名を名乗って、最後まで正義を貫く覚悟であると、弊紙の取材に対して、決意を示しているのである。続く。





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