敬天新聞 令和6年6月号 社主の独り言(中辛)

(敬天新聞 令和6年6月号 4面)



 

▼女性には誰にも訪れる更年期と言うのがある。閉経の前後から始まるらしく、人によって色んな症状があるようだ。

ところが男性には、そういう症状がないと思われていたが、最近の研究で男性にも更年期症状というものがあるらしい。

大体その症状は30代から50代に現れるらしく、ミッドライフ・クライシスと呼ばれ、日本語に訳すと「第二の思春期」と言う意味らしい。

思春期と言うのは、子供から大人への性の変化が起こる時期である。男の症状と言うぐらいだから、社会人としての人間関係、仕事関係、将来への心配等、心の不安が出て来る年代と言う事なんだろう。

確かに中年以降、特に老年期にかけては、女性の方がダントツに元気である。男は社会に出てから30年〜40年何かしら働き続けるのであるが、それが終わった後、友人関係がパタッと終わってしまう。NHKは取り敢えずここまでしか放映しなかった。

しかし筆者はミッドライフ・クライシスがあったかどうかわからぬが、当の昔に通り過ぎた。それよりも間違いなく、オールドライフ・クライシス「第三の思春期」と呼べる年齢に突入した。老後の心配である。

50代では、まだ肉体労働を始め、職を選ばなければそれなりに仕事もある。ところが高齢者になると、自分で選べる仕事など一つも無くなるのだ。年金だけが頼りで生きてる高齢者は非常に厳しいのである。

それにしても昔の人は偉いな〜。どうやって老年時代を乗り切ったのだろう? 一つは家族が大所帯であったから、手分けして働く仕事があったし、それに今のように長生きはしなかったから、オールドライフで悩むことも少なかったのだろう。

市町村での助け合いも賑やかだった。今は個々の権利・義務が強くなった分、人々の縦横の繋がりが希薄になってしまったのだ。

どちらがいいのか分からない。自由や権利を尊重する時代になれば、個々の権利が強くなるから、どうしてもこのような人間関係になってしまうのは仕方がない。家族でありながら他人の始まりである。

これでは不便と考えるようになれば、また次に世代の人たちが考えるだろう。

別に投げやりになってるわけではない。筆者は常に人間も動物からの変化形だから根底に流れる血は一緒という考えだから、理想だけでは生きていけないと考えているのだ。

勿論、この人は生き神様と思えるような生き方をしてる人もいる。しかしそういう人も、そこら辺でわずかの人を助けているだけで、やはり大多数は自己の利益の為に生きている。

公職に就く人でさえ、政治に生きる人でさえ、最初こそ大志を持っては居るが、そのうちに自身の利益に生きるようになるのである。



 

▼女が逞しいのは、若くして嫁に行き、姑に散々虐められ、それに耐えてきたからだろう。

全く知らない町の、全く知らない家に嫁ぎ、そこで最低30年間、嫁として姑にこき使われるが、姑が只の老婆になるのを分かっていたかのように、その後はその家を間違いなく乗っ取って、そこの主人に成るのである。

一応表向きは男が主人のように見えるが、家の中は間違いなく、女が握っている。その証拠に、家の中の事の細々したことは、亭主より妻の方が断然知っている。だから子供は、何でも父より母に相談する。父は威張っているだけで、意外と家の中の事は知らないのである。

だから自然と父より母との関係が深くなるし、男は家で威張ってるだけで、家のことは殆ど知らないのが現実である。

そのふてぶてしいまでの逞しさが、亭主が死んでからも平然と生き残れる強さなのである。亭主はお釈迦様の手のひらで、遊んでいる孫悟空みたいなものである。

歳を取って感じるのは、夫婦でありながら、仲のいい夫婦と仲の良くない夫婦は、圧倒的に仲の良くない夫婦の方が多いような気がする。

それは男が働いていた年齢の頃、家を顧みず、好き勝手なことをしてきた報いに体力が落ち、見てくれも、ただの汚い爺になった男に対する心の復讐なんだろう、と思うが如何か。

現に亡くなって泣き崩れる夫人の何て少ない事よ。最初の初七日までは女優としての見せ場も世間体もあろうから、涙は付き物ではあるが、そういう女優も多いのだそうである。

女は女に対して辛口評価も多いから、何処までがほんとか真偽の程は分からない。しかし、高齢者の数では圧倒的に女性が多いし、爺より婆の方が10年長生きするというデータも有るわけだから、人はこの話を信じるのである。

確かに爺婆になると、爺は単純で婆の方が賢い。婆は煽てるのも演技も上手い。爺は煽てられて、その気になって、喜んでいる。婆の方が役者は何枚も上で、死ぬまで女優を演じれるのだ、爺の前では。

宮沢博行元議員の母が素晴らしい母の強さを見せた。

「下半身はここぞと言う時だけ使えばいいのに。そうじゃない時に使うからおかしなことになるのよ。今度会ったら、ぶん殴ってやる。グーでね。先ずはお世話になった皆さんに挨拶して回り、その後は、体を使った仕事をして欲しい。お嫁さんや孫に本当に申し訳ない」と語ったそうである。

本当に素晴らしい母親である。幾つになっても息子に親としての意見を言い切る、日本にこんな母親がまだ居るってことが嬉しいね〜。



 

▼昔は日記というのは、ひっそりと自分の想いを書いて、他人に見せる物ではなかったものだが、今は他人に見せる日記が流行っているようである。

それに男女関係の話も昔は隠していたものだが、今は晒すのが流行のようである。

男の中には自慢げに女性との関係をひけらかす者は、ある程度いたが、女性で男との関係を喋る人は殆どいなかった。余程の親友には話したかもしれないが、公言するような女性は居なかった。と思う。

しかし最近では、自分の性体験などをSNSなどで、写真付きでオープンにする女性もいるらしい。ポルノ女優とかではない。一般の女性がである。

まぁ、そういう話や写真を掲載して読者数を増やして利益を上げようとしているわけだから、一般の女性と言っていいかどうかは分からないけどね。

ただ時代は大きく変わろうとしているのは事実である。今まで虐げられてきた女の男に対する、復讐なのであろうか。この傾向を、目を吊り上げて怒るのは、虐げられて生きて来た高齢者の女性である。個人に虐げられたというより、国の時代に、教育という名の貞操観念を虐げられた人たちである。

本音は若者の自由さが羨ましいのかもしれない。やはり性に関しては本音は語りにくいところはある。ソープランドやストリップ劇場で働く女性は、もう隠すものはないと、本音で語るのだろうが、まだまだそういうところで働く人は、日陰者という目で見られるのが現実である。

まーしかし、自分の知られたくない過去なども他人に話せるような時代になったと言う事は、自分がいま苦しかった環境に打ち勝ち成功したという証でもあろうし、世の中が色んな話に聞く耳を持った時代とも言えるわけで、昔より確実に多様性のある時代になったというのは間違いないのだろう。

ただ何でも自由になったからと言って、親に対する尊厳、敬愛、感謝を忘れるような国民になってしまうと言うのも、悲しいものである。

一方で世界では第三次世界大戦に発展する前夜とも言われている。今はヨーロッパ方面が争いの中心ではあるが、これから中国が大不況に陥ると言われているし、豊かな台湾を一つの中国として統一してくる可能性もあろう。

アジアで一番発展した街と言われていた香港が、たった数年で自由の無い国に陥ってしまった。誰もが皆平等に豊かさを享受するというのは理想ではあるが、現実はそんなに綺麗ごとではない。

人の世もやはり弱肉強食で成り立ってるのが現実なのである。


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