被害者多数(株)FORTUNEは 高級時計ROLEXの買い付け商法

(敬天新聞 令和6年5月号2面)




「中野正人」を名乗っていたという伊藤誠



トラブル多発

 近年、高級腕時計ROLEX(以下ロレックス)の人気が高まり、新品中古を問わず価格を押し上げている。理由は円安や投資ブームで、単に趣味として手に入れるだけでなく、投機対象として資産価値が高まっていることなど、様々な要因があるようだ。

そのためロレックスに絡む事件が相次いで起きている。闇バイトによる販売店を狙った強盗事件や著名人の自宅を狙った盗みの他、詐欺事件まで起きている。

近頃では高配当を謳った高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」の運営会社が、顧客が預けたロレックスをネットで転売していることが発覚し、代表者がドバイへ逃げて国際手配されたことは記憶に新しい。

このトケマッチ事件と同時期に、全くの別の件でロレックスの売買を巡るもう一つの事件が起きていた。それは、弊紙2月号で報じた(株)FОRTUNE本店・渋谷区代々木4‐54‐14(以下フォーチュン)の名刺を持つ中野正人が仕掛けた高級時計の「買い付け商法」のことである。

この中野正人による「買い付け商法」に絡み被害を訴える人達が大勢いることがわかってきた。現在、被害に遭ったという男性が立ち上げたサイトによって、被害者同士の情報共有の輪が広がり、大きな問題と成っている。2月19日には朝日新聞朝刊が報じ、21日にはテレビ朝日の報道番組「グッド! モーニング」が独自取材として「高級時計の値段が高騰する中、海外で買い付ける仕事のトラブルが相次いでいる」と報じている(何れも社名は伏せている)。

番組で取材に応じた会社員の女性は、1800万円もの被害を訴えている。副業として大手求人サイトで見つけたバイトに応募したところ、業者の負担で海外へ行き、指定された店で高級腕時計を購入し、日本へ持ち帰るという仕事内容だったという。自分のクレジットカードで決済して商品を業者に手渡すと、時計の購入代金に加え5%を上乗せした報酬が得られるというものだ。

初回はタイなどへ渡航し、他のバイヤー達と合流して高級時計をクレジットカードで購入したそうだ。実際に報酬が得られたことで信用し、何度も渡航して仕事に参加したという。

ところが半年くらい経過すると、業者から持っているクレジットカードの限度額まで決済する様に求められ、なぜか商品は受け取らなくていいと指示されるようになったそうである。

それでも、海外でクレジットカードを使えば使うほど報酬が増えることから、継続的に仕事を続けていたところ、昨年11月にシンガポールで1800万円を決済した直後に、業者が突然音信不通になり、女性には1800万円の負債だけが残ったという。

弊紙2月号で報じた被害女性とは別人だが、時系列といい、内容といい、まったく同じ手口である。同様の被害に遭っている人たちは現在60人以上いて、被害総額は十数億円にもなるという。

被害を訴えるバイヤー達は、ロレックスの買い付け先として指定されていた香港の「GALAXY」或いは姉妹店の「Swiss Watch」 という店で多額の決済を行っていた。

だが実際には、ロレックスの購入に使われることはなく、GALAXYのオーナーから中野正人にキャッシュバックされていたようだ。香港警察もこの事実を把握しており、昨年12月1日には香港島のCauseway Bay(銅鑼湾)の店舗に捜査が入ったようである。



今回の被害を報じるANNニュース


中野正人は偽名

 手口も多彩で、単純にカードで時計を購入するというものだけでないようだ。シンガポールやマカオのカジノに行って、クレジットカードでチップを購入し、すぐさま換金した現金を「ロレックスの買い付け資金」という名目で、香港のGALAXY店主に届けるよう指示された被害者もいる。実際には届けた現金でロレックスを購入したという記録はない。

またロレックス買い付け資金として、月利6%の現金融資を持ち掛けられて応じてしまった人もいる。その融資総額1億5000万円も持ち逃げされたそうである。

これらのトラブルで問題となっている業者というのは、紛れもなく(株)フォーチュンである。弊紙は昨年12月に本社をはじめ関連先に取材を申し入れたが、既にどこも不在であった。

この業者の中心的人物は、「中野正人」と名乗っていたそうだが、過去にも同様のトラブルを起こしている「伊藤誠」と同一人物であるようだ。

ダミー社長と思われるフォーチュン社の小田麻乃社長に、被害者が問い質したところ、「中野正人」を指して「伊藤さん」と呼び、夜の街で知り会った伊藤誠から、頼まれて社長になったことや、居住マンションの家賃を支払ってもらっている関係であることを打ち明けたそうである。

その上でトラブルに至った会社の内情を全く知らず、現在はフォーチュン社とは距離を置き、同社の取締役である成澤一仁が雇った弁護士とは、全く別の弁護士を立てて、被害者には協力的な姿勢も見せているようだ。

登記上の代表者であるから責任を問われる立場にあるので、伊藤誠に「騙された」「利用された」というのなら、被害者に全面協力すべきだろう。

(3面に続く)



(株)FORTUNEの契約書には代表小田麻乃と記され社判が押されている (↑拡大クリック)


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