埼玉県川越市の一市民から投書

川合善明市長の辞職勧告決議

(敬天新聞 令和5年11月号 2面)



一市民より


発端は女性の告発

 城下町として栄え、町には古い商家が立ち並ぶ「蔵造りの町並み」で知られる埼玉県川越市は、小江戸川越と呼ばれ、週末には多くの若者や外国人観光客で賑わっている。

そんなレトロで人情味あふれる川越市のイメージとは裏腹に、その行政の代表たる川合善明市長に対する「辞職勧告決議」と題されれた投書が弊紙に届いた。これは川越市議会の9月定例会最終日9月28日に、共産党議員が提出しようとしていたのを事前に行われた委員会で多数派に否決されたことを踏まえ、代わって無所属の議員が提出した「決議案」であるようだ。

ことの発端は川合市長からセクハラ行為を受けたと告発した市民女性に対し、虚言であるとして川合市長が名誉棄損で訴えたが、川合市長の主張が認められず、8月に言い渡された最高裁判決で全面棄却されたことによるものだ。

裁判所はセクハラ行為の詳細を示した女性の陳述を受け、虚偽であるとは断定できないばかりか、証拠上それなりの根拠が認められると判断したのである。

裁判書類によると、問題となっているセクハラ行為は、平成27年2月ごろ、居酒屋において川合市長が被害女性をカラオケのデュエットやチークダンスに誘い、その際に被害女性の腰に手をまわして身体を引き寄せたり、胸に振れたというものだ。

これに川合市長は事実無根と反論すべく、原告として名誉棄損や損害賠償請求などの訴訟を起こしていたようだ。一市民を相手に尋常ではないと思うが、川合市長は弁護士であるというから、その力を存分に生かして恫喝訴訟をしたのだろうという見立てもある。

本来ならば川合市長の方から被害を訴えている女性に誠実に向き合い、厳しく対峙するのではなく、認識に齟齬があるなら、解決する手立てを模索し、寄り添う努力をすべきだろう。

弊紙の地元戸田市の前市長もそうであったように市長という立場に加え、弁護士であることに驕りは無かったか? 近年セクハラに対する世論の見方は厳しいものである。自身の認識に時代錯誤な部分は無かったか?

何れにせよ、この「辞職勧告決議」の中に書かれている事は正論ではないか。



弊紙に届いた投書の「川合善明市長に対する辞職勧告決議」


理由なき否決

 ところが、前述した川越市議会は、提出された辞職勧告決議案の採決において議員35名中(議長を除く)賛成したのは僅か8名で、否決されたそうである。川合市長を擁護する議決の反対者が27名ということだ。

採決の前には、賛成議員による「賛成討論」が行われている。その中には、「市民の生命と財産を守る責任を負う自治体の長という立場であり、その言動に関しては公私を問わず、市民から関心を持たれている。市民をはじめ様々な立場からの声には耳を傾け、考えを明らかにするのが職務」であるとか、「立場や信条が違っても相手に真摯に対応すべきことは先ず前提」であることや、「ハラスメントは人権にかかわる問題」として重んじ「市長と市民という力関係の差もありパワハラの側面も考慮すべき」と指摘している。

更に「相手に異論がある場合は、事実関係を調査し、実態を明らかにする必要がある。しかし、本件において市長は、実態の解明には背を向け、告発した相手を名誉棄損で訴えた」と断じている。

また、川合市長に最高裁まで争い敗訴したことについて、議会の一般質問で質したところ、「市長は私的なこととして何ら説明をしなかった」ことや、「被害女性を嘘つき呼ばわりした」が「裁判所はこれをきっぱりと退けた」こと、そして最後に「二元代表として、市長と執行機関をチェックする役割を果たすため、市長に必要な説明を求め、それが果たさなければ辞職を促す事は我々の責務ではないか。各位がその役割をきちんと受け止め、職責を果たす事を期待して討論とする」と断じている。

この賛成討論をした議員の訴えは最もである。

二元代表制とは、住民が直接選んだ市長と議員について、市長は職員を指揮監督して具体的な職務を住民に対して行い、 議会は法令又は条例によってその権限となっているものについて意思決定を行うとともに市長の業務執行を監視する役割を担っていることだ。

これに対して、反対した議員の中に、その理由を述べるものが誰一人いないというから情けない。

本件の川合市長の対応には、過去に起こされた住民訴訟といった別件が背景にあるとも聞き及んでいる。ならば尚更、川合市長は自身の思いを公の場で説明すべきだっただろう。

良識ある川越市民は、有権者としての責務として、この問題をしっかりと注視する必要がある。

尚、この問題については、長らく川越市に拠点を置き、川越市は基より、全国の不条理を正す活動をしているネット情報紙「行政調査新聞」が、詳しく報じています。本件に係る裁判資料や経緯など、分かりやすく掲載しているので、とても参考に成ります。


川越市 川合善明市長



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