エフティグループ畔柳誠会長に騙された!?

弊紙に届いた実名告発

(敬天新聞 令和5年9月号 3面)



エフティグループの会長を退いた畔柳誠氏


退任と告発

 「エフティグループ」の代表取締役会長であった畔柳誠(くろやなぎまこと)氏が、突然会長職を退任すると発表したのは5月18日のことである。6月21日開催の株主総会で正式に退くことが決定した。

 週刊新潮(7/6号)に畔柳氏がオーナーである銀座の店(ママが畔柳氏の愛人らしい)で、関東に本拠地のある暴力団の大幹部と密会したことが、スクープされたことが原因であるらしい。

 しかし銀座で店をやっていれば、暴力団関係者がお客として来ることは、十分にあるだろう。それくらいで上場企業の会長職を簡単に投げ出すだろうか?

 エフティ社で20年以上もトップに君臨し、個人では筆頭株主でもあった。業績も悪くないというから、辞める必要もないだろう。その暴力団と言う人が、よほど大物だったのだろうか? 不思議な辞任劇である。

 エフティグループの大株主は、ITバブルの寵児であった重田康光氏が興した、あの光通信である。

 エフティグループの前身は「エフティコミュニケーションズ」であることは余り世間には知られていない。平成27年6月26日開催の定時株主総会決議に基づき、会社分割により(株)エフティコミュニケーションズと(株)エフティコミュニケーションズウエストを新設し、商号が「(株)エフティグループ」に変更された。

 その「エフティコミュニケーションズ」が、一度だけ世間に名前が知れたことがあった。東京オリンピック贈収賄事件の主役になっている「電通」の子会社である電通ワークスを中心に循環取引が行われ、その度に金を抜いていたという話が広まったときである。

 本当は電通が仕掛け、電通ワークスを中心にした循環取引だったらしいのだが、捜査する側が見立てを間違って、「電通ワークス」以外の詐欺罪にしようとしたために、最終的には不起訴となった事件である。その時に「エフティコミュニケーションズ」の名も挙がっていたのである。判決は6年位前のことだ。

 このエフティコミュニケーションズ時代の畔柳誠社長に騙されたという人物から、弊紙に直筆署名入りの告発文が届いた。



タイミング

 この告発者によると、循環取引は関係した全社が協力したスキームで裏金がつくられていたのだが、その中の一社が裏切って、このスキームを外部に漏らし、その外部の者と一緒に「電通」を恐喝した疑いがあると言うのである。それも16億円というから驚きだ。

 恐喝した者に支払われた時期は、平成23年の8月初旬であるという。確かに弊紙などが、ただ単純に循環取引事件を記事にしていた頃、一部のメディアで16億の裏金作りを指摘していたところもあったのは事実である。その当時は全く意味がわからなかった。捜査当局もそこまでの情報を持って居なかったようである。

 まだ東京オリンピックの不正疑惑が世に出る前だったし、電通は「政府系」と勘違いされるくらいの力を持って居たので、捜査当局の幹部はそこまでの疑いさえ持てなかったのだろう。だから結果的に、循環取引の裏側と意味を理解できなかったのだろう。

 ところが循環取引は電通ワークスこそ主役で、その裏金は電通に流れていたようだ。親会社の電通が了解しなければ、16億円という金額は電通ワークスだけでは処理できまい。

 告発者は、植田顕二氏から成功報酬を支払う条件で「裏金を作るための循環取引の証拠を持っている。電通本社の株主総会で追及しない条件で16億円をエフティ若しくはだWWE社に支払わせてくれ」と依頼されたそうである。

 植田顕二氏は、過去に金融・経済財政担当大臣だった竹中平蔵氏が、暴力団関係者との会食写真が週刊誌で報じられた時に話題になったことのある人物だ。

 告発者は依頼の通り、電通本社の当時の岩上取締役に面会したところ、「その件は片桐社長と話してくれ」と言われ、当時の電通ワークスの社長であった片桐社長ともあって、植田氏の要望を伝え、間もなくして片桐社長が約束の金を払ったことを知ったと言うのである。

 この情報を流したのが、エフティコミュニケーションズの畔柳誠氏であると言うのが、告発者の見立てである。

 そこで弊紙は告発者の証言を基にエフティグループの畔柳会長宛に5月15日付で質問状を出したのである。畔柳氏が質問状を受け取ったのは5月16日だ。その2日後に、畔柳氏は突然会長職の退任を発表しているのである。これは全くの偶然とは思えないのだが。

 因みに畔柳氏からは、5月22日付の回答書を頂いている。回答を要約すると、「告発者の言い分は、5年前に手紙が送られてきたので内容はおぼろげに記憶している。エフティはWWE社に納品する商流であり、WWE社の納品先である電通ワークスの内部事情は子会社でも何でもないから知らない。」というものだ。

 畔柳氏が弊紙の取材に応じて回答書をくれた事は評価したいが、肝心の16億円についての言及は無く、知ってか知らでか煙に巻いたような回答だった。

 16億円がどのように分けられたかは、現状では分からない。通常これだけの大きな金が動くときは、仲に入った人を含めて結構な「戻し」があると思う。その戻しが、電通ワークスの関係者に行ったのか、了解を出した電通本社まで行ったのか、そこはまだ分からない。

 告発者は電通や電通ワークスに伝えた金額が16億円だったから、そう思い込んでいるが、実際に動いた金に触ってはいないので、実際のところは分からない。

 そもそも告発がなぜ今なのか? その理由を告発者は「儲けの輪の中に入れて貰えず、利用されただけという事が分かって、告発する機会を狙っていたのだが、金額が金額だけに、万が一これが恐喝事件として摘発されたなら、使われただけとはいえ、間違いなく主犯の一人にされてしまう」と言う不安があって、躊躇していたそうだ。

 恐喝の時効が10年という事を知って、それで今になって真実を語る気になったと言うのである。続く。 


実名を名乗っての告発文(クリックで拡大)




敬天ブログ敬天新聞社ホームページ敬天千里眼不正疑惑(評判・噂)告発